三月に入ると、谷の空気が少しずつ緩みます。茶樹はまだ眠っていますが、畑仕事はこの時期から始まっています。
霜との駆け引き
湯屋谷は谷あいにあり、絶えず風が吹き抜けます。この風が茶樹を包み込み、霜の害から守ってくれる——それがこの土地が古くから茶の産地であり続けた理由のひとつです。
それでも、遅霜が新芽を傷めることはあります。芽が動き出してからの冷え込みは、その年の一番茶を左右します。天気図を見ながら、いつ芽が動くかを読む。この時期のいちばん神経を使う仕事です。
遅霜(おそじも)
春に芽吹いた新芽が、季節外れの冷え込みで凍害を受けること。茶では被害が出ると一番茶の収量と品質が大きく落ちるため、産地では最も警戒される気象リスクのひとつです。
Source: 城州ゆたに 山口製茶処
土をつくる
私たちは肥料も農薬も使いません。そのぶん、土そのものの力に頼ることになります。落ち葉が積もり、微生物が分解し、また土に還る。その循環を邪魔しないことが、私たちの土づくりです。
在来種は根を地中深くへ伸ばします。表層に施肥をして生育を早めるやり方とは、そもそも相性がよくありません。ゆっくり育つのを、待ちます。
春を待つ
収量は年ごとに変わります。味わいも変わります。同じ年は一度もありません。それを欠点と見るか、その年の記録と見るか。
私たちは後者だと考えています。一番茶の摘採は、例年五月のはじめごろです。
抹茶
おくみどり抹茶
¥5,800
単一茶園単一品種のシングルオリジンの抹茶。宇治の抹茶の中でも「山茶」に分類される、豊かな香りが特徴の抹茶です。


