日本茶の世界では一煎目が最良とされ、その後は出がらし、などと呼ばれ良くないものとされますが、本当にそうでしょうか?お茶が好きな方は、一煎目よりも二煎目以降に茶の本当の素性が見えるとも言います。
なぜなら、茶の本質的な栽培環境が二煎目以降に見て取れるからなのです。
お湯を注いだとき、茶葉から成分は次のような順で溶け出してきます。
① 抽出直後(0〜30秒)【低〜中温】
アミノ酸(テアニン等)、糖類、一部の水溶性ビタミン(Cなど)
細胞の外側に遊離状態で存在しているもの、あるいは水に極めて溶けやすい成分が最速で溶出します。
いわゆる「旨味」成分です。
② 抽出中盤(30秒〜1分)
カフェイン、カリウム等の主要ミネラル
アミノ酸を追いかけるようにカフェインや水溶性のミネラルが安定して溶け出します。カフェイン特有の爽やかな苦味が加わり、味の輪郭がはっきりしてきます。
③ 抽出後半(1分〜)
カテキン類、マグネシウム・カルシウム等
高温であるほど、あるいは時間が経つほど細胞壁のバリアが緩み、結合していたカテキン類(渋み・苦み)や各種ミネラルが放出されます。お茶に「重み」「複雑なコク」「収斂味(しゅうれんみ)」が加わります。
④ 2煎目・3煎目以降
残存するカテキン・高分子成分、溶出しにくいミネラル群(マグネシウム、カルシウムほか微量金属元素)
1煎目で出し切れなかった成分が、引き出されます。1煎目の旨味とのコントラスト(収斂味)を維持しながら、スッキリとした立体感を引き出すものの正体はミネラル類なのです。
ただし、こうした抽出の速度についてはあくまで一般的な傾向です。
寒暖差があり、雨量が比較的少ない環境でゆっくりと育った茶葉は細胞壁が強固であるという特徴があるため、細胞の奥深くに組み込まれた成分が2煎目、3煎目以降もゆっくりと抽出され、より奥深い味わいが持続する傾向があります。
テアニンは茶樹の余剰養分が由来ですから、肥料をやれば旨味は作り出すことができます。しかしながら、糖分に由来する奥深い甘みについては、十分な光合成がなされていることに加えて、寒暖差により糖が消費されずに蓄積されるような栽培環境が条件となりますし、ミネラルについては肥料で補うことが難しく、基盤土に深く根を下ろした茶樹そのものの育ちが大きく影響するのです。
煎茶
奥ニノ渓
¥3,480
在来種らしい、濃厚でバランスのとれた丸みのある滋味が特徴の煎茶。煎を重ねても続く力強い味わいを楽しめます。


