天下一と名付けられた、煎茶発祥の地、「湯谷(湯屋谷)」
そのお茶の歴史を感じられる宇治特有の香り「ホトロ香」が際立つ在来種のお茶をお届けします。
– HISTORY –
湯谷の茶
Birthplace of Sencha
京都府宇治田原町湯屋谷。絶えず谷に吹く風が、茶樹を包み込む煎茶発祥の地。湯屋谷は霜の降りない珍しい地 形であることや、日本茶の産地としては極めて少雨であること、寒暖差の大きさ、1500万年前の海成層が連なること等の要素が重なり、類まれな茶香と力強い滋味を持つお茶を生み出すテロワールとなっています。かつて湯谷村と呼ばれ、永谷宗圓が売茶翁高遊外をもてなし天下一と言われた茶も、ここ湯屋谷の大福谷の煎茶でした。
– PHILOSOPHY –
「はじまりの煎茶」を求めて
Glimpses of unfamiliar Japanese tea
現代の宇治茶は露地栽培が減り、戦後10倍以上にまで増加した窒素肥料の多量施用による強い旨みを特徴としています。私たちは個性豊かな地香 (じこう=土地の香り)を持っていた、かつての煎茶を取り戻したいと考えています。そのため、施肥や農薬に頼らず、ススキや腐葉土での土づくりを行いながら、茶樹の生命力を引き出す自然栽培を行っています。
– ACTION –
在来種の再生
Rememberance of japanese tea past “Zairai”
在来種は種から育ち地中深く根を張るため、土地の気候や土壌の影響を強く受けます。古くからの宇治茶は「ホトロ香」や「下木香(したきこう)」と呼ばれる他の地域とは明確に区別できる香気を持っていたとされ、宇治在来種はその傾向が顕著であったと言われています。その一方で、在来種は株ごとに成長速度が違うため、手摘み以外では品質を揃えることが難しく、茶業が機械化し、品種茶が普及した現在では、ほとんど見られなくなってしまいました。当園では推定樹齢二百年を超える在来種の栽培をはじめ、煎を重ねても衰えない強さと地香を持つ在来種の再生に取り組んでいます。
京都の山奥、青が生まれた茶園
青の革命。今では当たり前となった青緑に輝く緑茶。青製煎茶製法が永谷宗円によって生み出されたのは、今から300年前、京都の山深く、ここ、宇治田原町湯屋谷の美しい茶園でした。
営農茶園一覧
大福谷大茶樹
無農薬、無化学肥料
推定樹齢200年を超える在来種。江戸時代に植えられ、大きな枝振りが壮観です。
- 所在地:宇治田原町奥山田上大福
- 面積:約300㎡
- 品種:在来種
大福谷古樹
無農薬、無化学肥料
推定樹齢100年を超える在来種。長らく放棄されていましたが、2021年春に、半世紀ぶりに手摘み煎茶を製茶しました。
- 所在地:宇治田原町奥山田大福
- 面積:約400㎡
- 品種:在来種
二ノ谷在来
無農薬、無化学肥料
- 所在地:宇治田原町湯屋谷奥二ノ谷
- 面積:約2700㎡
- 品種:在来種
大福谷やぶきた
無農薬、無化学肥料
1271年に光賢上人により最初に茶の木が植えられた場所であり、鎌倉時代、「最も茶香深し」と言われた大福谷の穂先茶の生産地。永谷宗円の生家から徒歩5分。
- 所在地:宇治田原町奥山田大福
- 面積:3900㎡
- 品種:やぶきた
二ノ谷奥緑
無農薬、無化学肥料
- 所在地:宇治田原町湯屋谷奥二ノ谷
- 面積:1500㎡
- 品種:おくみどり
黒豆坂
無農薬、無化学肥料
永谷宗円の子孫である永谷伊八家より伝わる茶畑。
6世紀に記された陸羽の茶経にある、茶樹を育成する上で最も優れた場所、「陽崖陰林」(陽のあたる斜面で、陰になる林のある茶畑)を具現化したかのような、当時の茶業者の経験と知恵が伺われる茶畑。朝日を一杯に受ける一方で、西日を遮る地形。特に香気に優れた茶畑です。
- 所在地:宇治田原町湯屋谷下西谷
- 面積:約800㎡
- 品種:やぶきた
中畑
減農薬、無化学肥料
現・山本山の茶商、山本嘉兵衛が所有していたと伝わる茶畑。
- 所在地:宇治田原町湯屋谷上中畑
- 面積:約2000㎡
- 品種:やぶきた
松 峠
減農薬、無化学肥料
- 所在地:宇治田原町奥山田代ノ田
- 面積:1300㎡
- 品種:やぶきた
二ノ谷藪北
減農薬、無化学肥料
- 所在地:宇治田原町湯屋谷奥二ノ谷
- 面積:600㎡
- 品種:やぶきた
隠居
減農薬、無化学肥料
- 所在地:宇治田原町湯屋谷七廻り
- 面積:約500㎡
- 品種:やぶきた
屋敷
減農薬、無化学肥料
永谷宗円の直系子孫である永谷伊八家より伝わる茶畑。
- 宇治田原町湯屋谷中谷
- 面積:約600㎡
- 品種:やぶきた